hitsmanのブログ

糸島で一応100キロウォーカーにはなったんですが…

100キロウォーク!ツヨイヒト

私も一応100キロウォーカーなんで「歩禅」

駅まで愛嫁に送ってもらい、発車時間まで一緒に居てくれた!これから起こり得る騒然な戦いに自分だけでは勝てそうになく、少し楽になる。 乗ったことのないローカル線を乗り継ぎ、スタート地点近くの行橋駅!自分では早く着いたつもりではあったのだが?すでにやる気満々のアル中(歩き中毒)がワンサカ居る!まぁ全国から4500人以上が集まるこの大会!

・・・それにしては?時折聴こえてくるYouTubeに出ているアナウンサーの声以外は1人も知った顔がいない。応援がいる人、団体で出ている人、親子で出ている人を羨ましく思う!

・・・来年は誰か一緒に出てくれないだろうか?マルキンさんとか?ツキさんとか?時給払おうか?などとすでに弱っち〜事を考えてしまっている。

足の踏み場も無い中最後尾近くに並ぶ!すでに強い選手や過去複数回完歩の選手は12時にスタートしている。この大会初出場の私はスタートまでに1時間半ぐらいかかる予定!アナウンスの「5秒前、4、3、2・・・」「ワァ〜!ガンバレ〜!」多分、ニュースにも、YouTubeにも映るであろう、1番胸の高まるその時、私はトイレで「アー長げー!」と嘆いていた。

すでにスタートから30分、私達グループはやっとスタート地点の段幕が見えてきたぐらい!少しずつ緊張してきたのか?再びトイレに行きたくなる。ふと足元を見ると私と同じニューバランス1040の色違いを履いている人!かなりの勇気を振り絞り!

私「同じ靴ですねー!」と言葉を振り絞る。

意気投合した訳ではないが、その人も初出場、しかも、今迄70キロの大会に数回出場した経験があるだけ!

私「ふーん!まだ100キロウォーカーでは無いんだ!」と鼻の膨らみを抑えながら、

私「まぁ、70あるけたら、そのあとはアドレナリンが上がりますよー!」と何の根拠もないアドバイスを鼻の膨らみを抑えながら、心の中で70キロウォーカーの肩を叩いた!

少し緊張が解れたとはいえトイレには完全に行きたくなった。

私「すいません、トイレに行きますので、このリュック見ていてもらえませんか?」

70「いいですよ!僕も行きたいですから。」

時間も有る事なので交代で行く事にした。

トイレから帰り、お礼を言って「次どうぞ」と言う、少しずつ前に進んでるせいか?

70「トイレの前に通りかかったぐらいに行きます。」

しばらくして、トイレの近くを通りかかり「どうぞ」と後ろを見ると?

私「アレッ!いない?」70さんは既にトイレに行っていた!

・・・私が気づかないせいで、70さんは、より一層後方スタートとなった。

・・・すいません。70さんゴール出来たらビールでもご馳走します。

こうして私も何とかスタートした。

大会も21回ともなると地元の人も恒例行事なのか?沿道や河川敷、なかには手作りの看板で声援をくれる人もいる。出来るだけその声援には帽子のつばを触り一礼することにしている。100キロウォーカーのマナーだ!特に今回、私は、ランニング用の白い帽子にしたので、右手で帽子のつばを触り会釈するさまは、まるでプロゴルファーのバーディパットを決めた後見たいに、さぞ写っている事だろう。

「ギャーカッコいい!電話番号教えて〜〜!」と数十年前は若かったであろう、現在も飲食店でお勤めになっているだろう御一行様が吠えている。

・・・心の中で会釈した。 名物の川を横断する沈下橋は今年は工事中で通れなかったが・・・

係員「右に行ったら100メートル長い、真っ直ぐは100メートル短いけど靴に砂が入ります。」と大声で何度も何度も叫んでいる。

私「当然、海岸ヤロ〜名物やし〜右行く人おるんか?」

私「アッ!?」目の前の人達は右行っている!一瞬かなり心は揺れたが、海岸ルートを選んだ!ザクッザクッと足元を捕らえる、砂浜最後は垂直に近い階段、上り終えても靴底に砂がミルフィーユ状態!

・・・数分前の自分を恨む!

・・・名物よりも歩き易さ!

などと思いながら、数分後。隣は携帯ラジオらしきものを聴きながら、TV shoppingに出てきそうな「いかにも」って腕を90度に曲げて歩いている「おばちゃん!」ただ、このおばちゃん何度目かの出場で黄色いゼッケン!衣装もリュックもキマッテイル!

突然、そのおばちゃんが私の目尻の視界から消えた?少しの段差に足を取られ転倒した!

私「大丈夫ですか?」と起こすと恥ずかしそうにイヤホンを片方ブランブランさせながら、「大丈夫です」と答える。大丈夫みたいだけど少し顔を怪我している。後方からの女子大生風な2人組も「大丈夫ですか?」とおばちゃんに駆け寄る!「アッ怪我?」と私を睨む?・・・ニラム?「イヤイヤイヤ、私はこかしとらん!」

すると、おばちゃん、また恥ずかしそうに、「歳取ると少しの段差に足を取られる!足が上がって無いんやろね」

・・・冤罪を逃れ、先を急いだ!

思ったよりもずっと早く太陽が沈む、食料調達のコンビニに入るたびに身体が冷える!コースに戻り、歩き出すとすぐに温まるのだがすぐにトイレにも行きたくなる!そしてまた身体が冷える。まだまだ前後の人も多くペースが掴めない。信号待ちのたびに前にでてスペースを確保、歩道が広くなる箇所では早歩き!明らかに自分の実力を超えたここまでのペース。参加人数が多い大会の思いもしなかった落とし穴!「レジ待ち」と「トイレ待ち」のロス、それによる「焦り」と「オーバーペース!」

そんな自分と葛藤の中、何とか第一チェックポイトと同時にトイレへ?かなりの行列だ!しかも進み方ものろい?なんとか足をシチャモチャさせながら待つ!シチャモチャシチャモチャ!

・・・何ともならない事がある事を知った!

・・・おチョコ3杯分ぐらい。

・・・。

第一チェックポイントを過ぎれば、最悪リタイアしても来年また、申し込みは出来る!と小さな喜びを感じながら第二チェックポイントを目指す。

少し自分のペースを取り戻すことに専念しよう!まだまだ戦いは長い、ヘッドライトを点灯、私の心に「ゆとり」を点灯させよう!

私は100キロウォーカー!心の「ゆとり」が次第に「アドレナリン」に変わる事を知っている!

中々良い調子になって来た!スピードも保たれている。今のところ、まだ、首の痛みも時制内!少し楽しい気分になって来ている、人の多さも道路の感じも、信号待ち時間でさえ楽しい気分だ!まだ半分も来て無いが、「完歩」を感じるのは早すぎるが、「歩禅」とは何か、自分なりに答えを見つけたい、そんな時間を過ごせている。・・・まだまだ!

そんな自分を楽しんでいる頃?親子なのか?少し歳の違う友達なのか?まぁ1組の女性を「失礼します」と抜いた後、声をかけられる?

女性①「あのーすいません、何か治療薬持ってませんか?この人がさっき転けて・・・」

ヘッドライトで女性②を照らすと右膝から出血!しかも転倒の激しさがわかるぐらい、ズタズタだ!タイツもズタズタ!

丁度さっき買ったばかりの「いろはす」があったので、

私「とにかく、足を前に出して座ってください!それとタイツを少し破りますね」と言って流水洗浄する!

「あーあ、私も大会用に履いているcw-xが、おじゃんやなァ!高いのに〜。まぁでも着て無かったらもっとズタズタか!」と思いながら汚れた箇所を洗う。

・・・と、女性②のおばちゃん、事もあろうに、はめていた軍手で傷口を吹き出した?

「駄目くさ〜」と思わず少し強い口調&タメ口で言ってもう一度洗い流す!別に拭かなくて良いのだが、また軍手で拭かれたら、もともこうも無いので、私のティッシュを女性①に渡して拭いてもらう!

「こっちの方も破りますからね!」とやはり少し強い口調でもう一方も水で流す。

すると女性②は水がシミたのか?「ヨシ!」と私の手をはらう!

「ヨシ」かどうかは俺が判断する!

私「傷口がタイツに当たったら痛いでしょうからカットバン貼りますが、寒く無ければトイレで脱ぐか切った方がいいですよ。」と心を抑え優しく言うと「ありがとうございました」と丁寧に頭を下げて女性①は拭いたティッシュを私に渡した!

「なんでやねん」と思いながらペースをMAXに上げ歩く!とにかく手を洗いたい、何か腹も減ったし、買ったばかりの水も一口も飲まずに無くなった。1番近くのローソンに入り、おにぎり二個と炭酸水を買った!

「今度、声をかけられたら、炭酸水で洗い流す」と心に誓った!

「歩禅」の意味なんて、すでにどうでもよかった。

おにぎり二個を一気に食い、炭酸水で喉を潤す!落ち着きを取り戻すし、関係者に連絡!

関係者「ハイ!リタイア係です。」

私「アッ!」

リタイアはしない事、私のナンバー、けが人がどの辺にいて、次のエイドを目指している事、出来れば治療して欲しい事を伝え、再び歩き始めた。 100キロウォークの大会には少なからず仮装している人がいる!目でも楽しませてくれるが、本当に強い選手、日頃から相当な訓練をしている方じゃないと出来ない事を実感する!こんな電飾を背負って歩くなんて・・・。 第二チェックポイントではリタイアバスが何名かを乗せているのがわかる。ブルーシートの上で寝ている人、係員の「リタイアする人いませんか?」の声の度に1名、また1名と増えて行っている。チェックポイントを出てまだ数十メートルの場所にも、うなだれて座り込み、顔を隠している方もいる。

ここからは、進めど進めど上り坂、3つの峠を越えてゴールを目指す!

暗がりの指定リタイアポイントも必ず誰か座り込み、リタイアバスを待っている。今どの辺にいるのかもわからない、ポツンポツンとあるコンビニには、端っこに座ってストレッチをする人、一緒に参加している男性2人はリタイアを話し合っていた!私は休みはするが、座り込む勇気が持てなかった。まだ足は痛めていない、朝一で愛嫁に貼ってもらった、ふくらはぎのテーピングのおかげか、肉離れの兆候も無い、ただ地面に座ってしまうとその後、身体が動かない気がした。70キロ過ぎの給水所、後から来た人に声をかけられる?スタート地点の70さんだ!かなりの疲労困ぱいの様子!身体のあちこちが痛そうで辛そうだった。苦笑いするのがやっとで「お互い頑張りましょう」なんて、とても言えなかった。 一つ目の峠を越えると最大の難所の七曲峠、ここだけ杖を使ってもいいとされる場所、昨年愛嫁と下見に来た時、地元の人も「軽自動車の4WDでも雨の日はスリップするよ!」と脅された場所!ぜんざいを振る舞って頂き、竹の杖を借りて、いざ挑戦!元々上りの方が得意な私、頭の中で「ディッディディ、ディッディディ」って水戸黄門のテーマを流し、なんとか頂上へ、しかし今度は大の苦手な下り道、膝はテーピングで固めているにしろ、不安は残る。しかも最近、自宅の椅子で打った「くすりゆび」下りはつま先が当たって痛い!すると突然右足の股関節に激痛がはしる!まるでケツバットを足の付け根に食らったかのようだ。少しずつ少しずつ、両手で杖を持ち一歩一歩前に進む!何人の人が私を抜いたかわからないぐらいだ!

何とか下山、杖を返し、速攻で痛み止めを飲む。さすがに座り込み、寝そべってストレッチをする、激痛こそ収まってはいたが、「痛い!」生まれて初めての股関節痛に自分自身、驚きも不安も隠せなくなっている。

「お疲れ様でーす!」と軽い感じで聞き覚えのある声?に振り向くと、70キロさんだ!

70「やっと痛み止めも効いて、アドレナリンも上がってきたみたいで調子が良くなりました。」と嬉しそう。それ以上に気持ちの高ぶりを抑えきれずにいる様子だ!

私「あ!それは何よりです。お先にどうぞ!」と言うと跳ねるように勇んで行った。

私「・・・」

私達はプロでは無い、ただの趣味だ!それでも皆、一様に練習を重ね、悩み、道具を買って気持ちを奮い立たせ、大会に臨む!

私にも、精神面も肉体面も支えてくれた愛嫁、朝早くからLINEをくれた上の愛娘、げん担ぎのカレーもつくってくれた。遠くにいる下の愛娘も心配、声援のLINEをくれた。我が敬愛する「じゃがいもの会」のメンバーも応援してくれる。愛孫達は靴を待っている。

何とか何とかして、一歩一歩進んで、すでに何度も何度も限界を超えて、それでもリタイアしたくない!・・・苦渋の決断を迎えた方を乗せたバスが何度も何度も私を照らしては去って行く。

Bluetoothで携帯に入っている「栄光の架け橋」を聴く。リタイアされた方に改めて心からのエールを送る。

リタイア出来る人間が、1番強い選手だと信じます! 太陽が上り、朝日が別府湾を照らす。 正直どうでもよく、なんの感動も無かったが、とにかく寒い!

早く気温よ上がれ!と叫ぶ!

何故だかわからないが♪かぜのなかのすばる〜砂の中の銀河♪ 頭の中で「中島みゆき」の「地上の星」が流れる!

そして、ペースが上がる!ゴール前だが! ゴールテープ前で1人づつ写真撮影!私の前にも3名ほどいる、各々のポーズを言いつけられているが、皆照れ臭そうにしているかと思えば、結構なオーバーポーズ!

私もタイプではないが、まぁ大人なんだから一発で決めよ〜やはり手先はピーンとした方がいいヤロか?とか悩んでいると!すでにゴールした人から声をかけられる?

「お疲れ様でした〜」と元気よく去って行った!

70さんは100さんになっていた。

普通のガッツポーズでゴールテープを切った


「か〜〜んぽ」と東京ラブストーリー風にLINEした。


私、生まれ変わったら「カッコいいポーズ」を決めます。

追伸

ビール飲みながら、たこ焼き食いながら思う!

オリンピックも100キロウォークも参加することに意義がある.

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