・・・普通だよ!
愛嫁も一応100キロウォーカーの妻なんで「サラバ」
先日、30年以上勤務して、良いも悪いも青春を捧げた職場を依願退職した愛嫁!これからは出来るだけ自分の楽しみを重視して、人生を謳歌してもらいたいと思う今日ではある。そんな中、退職後してみたい事の1つが「ヘアドネーション」だと言う。そんな外国語を知らない私は早速ググッとしてみると、いわゆる「髪の寄付」まぁ色々な条件もあるみたいだけど床屋に行っていた私にLINEが来た。
昼食を済ませ、隣町までドライブをする。いつもはあまり思い出せないようなバカ話をして現地に向かうのだが、本日は心がボランティア精神なのか?もしくは不安もあるのか?・・・何せショートにするのは20数年ぶりだから・・・しかし元々ショートが好きと言っていた私の思いを20数年も無視した根性もさることながら、いきなりバッサリも大したものだ!
まぁ何にせよ、コロナウィルスや子供の携帯依存など、私達夫婦には似つかわしくない話にて現地まで車を走らせる。愛嫁を店先まで送り、終わるまでの間、久しぶりに来た隣町を散策する。私の街もそうなんだが、古びたアーケード、多くの閉まった店と老舗の饅頭屋、繁盛しているのは囲碁クラブだけ、「オフィシャル髭・・・」を聴きながら湿った天気、湿った街並みを歩く!歌と歌の間の数秒、アーケードに私の足音だけが響いている。
自宅から20数キロ、練習の為、年に数回来る成金饅頭屋、店先に並ぶ饅頭も模造品に見えるぐらいの街明かり。アーケードに私の足音だけが鳴り響く。別に選挙で当選した人に文句は無い、大型商業施設に何の問題も感じ無い。ただ数百円の饅頭を年に数個買うだけのこの街並みを寂しく感じるだけ。親が後を継がせられないこのアーケードを私の足音だけが鳴り響く。
ただ数分間に1人ぐらい「オフィシャルな髭」をはやした若者を見る。頑張って店を出している。少し足音が小さく聞こえる気がした。
そんな時「ピロン」とLINEの音?
「終わったよ!車の所で待っとくねー」と愛嫁から?
「案外早かったなー!」と足を急がせる!
数十メートル先にショートの女性!手を振るも、気づかない!
私「まぁ目が悪いし、人もいないからいいか!」・・・ほどなく気付いた愛嫁!
「顔が大きくなってから〜キァハキャハハー」と大声!
・・・まぁ人もいないから?
・・・おるやん!2人!
オフィシャルな髭の男とその妻か恋人!
アーケードに「顔が大きい〜!」と鳴り響く!車に乗り込んで「どう?」と愛嫁!
・・・「その方がいい」と小声な私。
・・・勇気を振り絞り、私は確かに勇気を振り絞り・・・。
「そう」と携帯をニヤニヤ見ながら、早速、愛娘達にLINEを送る、愛嫁。
ほどなく2人から返信!「前からの写メ」が見たいとリクエスト!
愛嫁「デカイ顔とか見らんでい〜チャ!」と言いながら自撮りしていた!
少し車を走らせると・・・。
愛嫁「よつば珈琲に行きたい」
ホッとして珈琲でも飲みたくなったのだろう!きくと前の職場の同僚の知り合いが店をしているとの事!ドーム型の木造の二階、優しい佇まいとオフィシャルな髭の店員。酸味が苦手な私にブラジルの珈琲をチョイス!
苦味とコクが絶妙!さっきまで、少し寂しかった気分をこの珈琲と愛嫁の「キァハキャハハー」がホッとさせる。ただ、前を見ると少し照れ臭い・・・。
愛嫁よ、人並みの大きさだよ、普通だよ。
・・・と、心で語る。
私、生まれ変わったら「ホッとする珈琲」になります。
追記
髭の店員「あのー、○○さんですか?」
私「・・・?」
髭の店員「私、幼なじみで、くれぐれもそそうのないようにと・・・。」
・・・愛嫁が早速元同僚に迷惑メールしていた。