サクラサク!
私も一応100キロウォーカー、運命の日
「眠てー!」と言いながら、不安げに起きる愛娘と朝食の準備をしながら、やはり不安げに作り笑顔を見せる嫁!
本日は愛孫の採血の日、マサ子さんも含め、皆で精一杯、愛孫を笑かし、したくをする。
嫁は仕事、「結果が出たらすぐに教えて!」を自分では気付いてないだろうが、私に何度も繰り返し言う。
朝9時の採血に間に合うように病院へ行く。
愛娘達を病院前で降ろし、立体駐車場へ車を止めに行く。
いつも患者が多く、今日はそれでも5階でよかった!
急いでエレベーターへ向かうが、チンタラして中々来ない!階段で降り、愛娘の元へ向かう。
途中で駐車券を忘れた事に気づく!「落ち着いて」と自分に言い聞かせてはいたはずだが、それすら忘れてしまっていた。
小児科まで一緒に行く。すでに数名の親御さんが皆同じ顔で心配そうに待っていた。
まだ、時間がかかりそうだったので、駐車券を急いで取りに行く。
・・・戻って来て自動ドアが開くと愛孫は私に気付いた様子で指を指す、私も笑顔で指をさしながら近づく?
愛孫の目が赤く、まつ毛が濡れ、手にはアンパンマンが貼ってある。採血は、すでに終わっていた。
誰しもが1番聞きたく無い、子供が悲しむ声。
だけど、1番聞かなければならならなかった声。採血が終わってすぐママの顔を見てホッとしただろうが、その横にいなければならなかった。愛娘すまなかった、ただの運転手にしかならなかった、愛孫よすまなかった。幼子のほんの少しの心の支えになれなかった。ただのシールを買ってくれるデカイ男の人、それだけだった。
採血の結果まで、1時間は、かかる。待合室で絵本で遊ぶ愛孫。
こんなに元気になったんだ、大丈夫だ!飯も食う、滑り台もジャングルジムだってする、よく笑う、ウンコもオシッコもいっぱいする。
数え切れない程の理由付けをしながら順番を待つ。
呼ばれた!ドキドキしながらも、急いで診察室に入る。
医師の顔は笑っていた。
でも前回も笑っていた。
「正常値に戻りましたよ」
普段は見せないしっかりした顔で「ありがとうございました」と愛娘が御礼を言った。その言葉に私もつられて御礼を言った。
涙をこらえるのが精一杯だった。
愛娘は医師の質問、今後の指示を真剣に聞き、的確に答えていた。
その姿を見て、また涙をこらえるのが精一杯だった。なんと情け無いジジイだと思いながらもそれでも良かった。
診察を終え、嫁にLINEをする。
「正常値に戻った、サクラサク!」
嫁からすぐ返信、喜びの言葉と安堵の言葉
携帯をポケットに入れるとひっきりなしにバイブの音が鳴く。
「スタンプを受信しました」
「スタンプを受信しました」
「スタンプを受信しました」
「スタンプを受信しました」
「スタンプを受信しました」
嫁の感情を表したパンダが沢山いた!
愛孫、愛娘、婿、マサ子さん、上の愛娘、新婿、そして嫁
やった〜〜!
私、生まれ変わったらヤッターマンになります!