おねえちゃんとして!
私も一応100キロウォーカーなんで、一生のうちに数度だけ!
日中の日差しがキラキラと暑く、鳥たちも軒下でピーピーとざわめく。そうだ⁈こんなに素晴らしい朝はやっぱり外で飯を食おう!
丁度、愛娘達は昨晩、愛孫が何故か真夜中に目覚め、家中を動き回り、それからも、いっとき起きていたらしく、まだスヤスヤ寝ている。
隣町に最近オープンしたパン屋さんに嫁と一緒に行く!
オープンしたてだからか?駐車場には沢山の車が止まっている、急いで店内に入るとまだ午前8時30分過ぎたぐらいなのにパンはほとんど売り切れ状態!有るのは注文してから作る「コッペパンサンド」ぐらいだ!まぁでも、おぼつかなくも一生懸命笑顔を振りまき、いっぱいいっぱいの姿を見るのは、微笑ましいものだ!コッペパンマニアの私にしたら過去に食べた1番ではないものの、丁寧に作られたパンは美味しかった。もちろん暖かい日差しの中、靴下で屋外を走り回る愛孫達と一緒と言う絶大な調味料があっての事だが!ぼんやりとのんびりと素晴らしい、ひと時を過ごした。
コ・ノ・ト・キ・マ・デ・ハ
さぁ〜て、ボチボチ片付けようかね!とシートから立ち上がった。嫁と愛娘も椅子から立ち上がる。嫁は皿を持って行き、私は簡易テーブルを持って行き、娘はトイレに行く?
愛孫を遊ばせながら、ボチボチ片付ける。楽しい時間であるが、最近では愛娘がトイレに行くたびに心配になる。数分が過ぎトイレから戻った娘が少し不安げに
「トイレとは違う痛みが・・・まだ、わからんけど」
嫁と私は片付けの手を止める!
台所の椅子に座り時計を見ながら自分の様子を伺う愛娘!
心配ながらも笑顔で愛娘に寄り添う嫁!
あたふたしながら愛孫に寄り添う私!
これから誕生する新しい生命の為に立ち向かう愛娘の事を考えると
すでに涙が出そうになる
そんな弱々しい観賞の中、玄関に前もって準備していた入院セットを置き、
嫁「アンタ、急いで気をつけて、ガソリン入れて来て」
女性は、すごいものだ!男が何の意味もない観賞中に、これから起こる現実を見据え、準備をし、京都から駆けつける愛婿が使うであろう車の事まで考えるとは!
現実に引き返された私は愛孫をチャイルドシートに乗せ「あいみょん」から「アンパン」にDVDを切り替えた!冷静だった!
ガソリンを入れ自宅に戻ると、陣痛の間隔がナ・ン・ト五分!
私「今まで、どんだけ我慢していたんだ?あの笑いながらコッペパンを食べている姿は偽りだったのか?ア〜外で食べたがった私に気を利かせたのか〜?」
四人で産婦人科へ急ぐ!
嫁は精一杯の笑みで愛孫をあやしながら愛娘にも微笑む!
愛娘は痛みと戦いながらも、助手席から愛孫に作り笑顔で微笑む!
私は行き慣れた道を必死に間違わない様に、ただ運転する!
車内ではさっきのアンパンの続きが流れていた!
🎵なんのためにうまれて なにをしていきるのか
こたえられないなんて そんなのはいやだ!
いまをいきることで あついこころもえる
だから きみはいくんだほほえんで
そうだ うれしいんだ いきるよろこび
たとえ 「じんつうで いたんでも」🎵
病院につくと子宮口は全開しているとの事、その意味は分からなくとも、お母さんに心配かけまいと泣きもせず笑いもせずに自分なりに戦っている愛孫!
ア〜この子は今日生まれる事を知っていたんだ!だから昨晩、寝ないで母親に知らせたんだ!自分の妹が生まれる事を!
初めての「おねえちゃん」の役割を立派にはたしたんだ!
分娩台に横たわる愛娘、ドアの外から指を指して見守る愛孫!駆けつけたい気持ちを必死に堪えているのが、ヒシヒシと伝わる。
涙が止まらない!外に出て涙を拭く!
数分して愛婿の祖母も来てくれた。嫁と共にしばし談笑するとドアの向こうで
「オンギャー、オンギャー」と赤ちゃんの泣き声?慌ててビデオモードで泣き声を撮る!
⁇これは新しい愛孫の声だよなぁ?
嫁と顔を合わせ「産まれた?」3082gの、よく泣く愛孫が生まれました。
はじめまして、よくうまれてくれました。
よろしくおねがいします。
私生まれ変わってもこの家族の一員でありますように!
そして愛娘よ!よくがんばりました。
おつかれさん!